節税対策
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節税対策
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会社を経営する上で、決算期は一年の中でも特に忙しい時期の一つです。決算書の作成自体も大変ですが、売上や利益が予想以上に上がり、税金の額が高くなってしまった場合には、納税資金をどう確保するかという不安も生じます。多くの経営者にとって、決算をいかに乗り切るかは重要な課題です。
しかし、決算前はこの1年の経営状況を踏まえて節税対策を打つことができる最後のチャンスとも言えます。決算後には法人税(個人事業者の場合は所得税)や消費税の納税時期が迫っており、短期間でキャッシュを大幅に増やすことは難しいため、決算時の節税対策としては手持ちの資産や帳簿を見直し、損金経理できるものを探すことが最も効果的です。
また、中小企業には税制面で多くの優遇策が用意されているため、これらを有効に活用することも重要です。
損金経理による税負担軽減のために、まず考えられるのは不良在庫の処分や稼働していない固定資産(遊休資産)の除却です。商品であれば廃棄損、固定資産であれば簿価を除却損として計上できます。
資産の見直しは決算対策としてだけでなく、翌期以降の経営においても重要です。不良在庫や不要な固定資産は置いておくだけで管理費用や固定資産税がかかる場合もあり、資金繰りを悪化させる原因となります。また、資産整理による財務体質の改善は金融機関からの評価を高めることにもつながります。
商品の仕入れや公共料金などの経費の支払時期を確認することも節税方法の一つです。
すでに仕入れが行われているものやサービスの提供を受けているものに関しては、その支払いが翌期であっても当期の損金として計上します。請求書の送付が遅れるときは損金に入れ忘れることもよくありますので注意が必要です。
また、設備投資や少額の備品など経費として計上できるものを前倒しで購入することも決算対策として有効です。ただし、損金経理できるのは決算末日までに“事業の用に供しているもの”であるため、当期中に使用開始できないものを購入すると逆に納税資金を減らすことになります。特に設備投資の場合、搬入しただけでは事業の用に供したとは言えず、設備を据え付け、試運転を終えて通常の使用を開始している必要があります。
上記のように中小企業が一定額以上の設備投資を行う場合には、税制優遇策を適用できる場合もあります。
「中小企業投資促進税制」は、機械やソフトウェアを取得し事業の用に供した初年度に、通常の減価償却に加えて取得費用の30%相当額を特別償却として損金経理するか、取得価額の7%相当額を法人税額(個人事業者の場合は所得税額)から控除することが認められます。機械装置であれば1台で160万円以上、ソフトウェアであれば70万円以上のものが対象です。
ちなみに、内容の似た制度に「中小企業経営強化税制」という税制措置があり、こちらは“即時償却または取得価額の10%税額控除”を受けられ、投資促進税制より大きな節税効果を得ることができます。ただし、事前に経営力向上計画を作成し、認定支援機関から認定を受ける必要があるため、決算時期よりも早い段階での検討と準備が求められます。
従業員の給料引き上げに取り組む企業に対しては「賃上げ促進税制」という制度があります。雇用者全体の給与等支給額の前年比増加額について一定割合を法人税額(個人事業者の場合は所得税額)から控除でき、中小企業の場合は最大30%の税額控除が受けられます。
さらに、教育訓練費が前年度比で10%以上増加した場合、追加で10%税額控除が適用され、合わせて40%の税額控除が可能です。
業績が良く利益が増えた場合、従業員に決算賞与として還元することも決算対策に有効です。賞与支給は従業員のモチベーション向上にもつながるため、ぜひ検討してほしい手段です。ただし、支給のタイミングによっては一定の要件を満たさないと損金経理が認められなくなってしまうので確認が必要です。
まず、決算日「前」に支給する場合には、一般的な夏季賞与や冬季賞与と同様に、特段の要件なく損金経理ができます。
注意が必要なのは、支給が決算日「後」になる場合です。翌期に支給しても当期の損金として算入できますが、そのためには次の3つの要件を満たす必要があります。
決算日時点では未払いであっても支給額は確定しているため利益操作の問題は生じないという考えから、例外的に当期の損金として認められています。決算日前に支給額が確定していた証拠として、従業員には書面で通知し、確認印を貰うなどして、その控えを保管しておくことが大事です。
いかがでしょうか。
このように、企業の節税方法は多岐にわたります。まだまだ紹介しきれていない方法もたくさんありますので、決算前に有効な節税対策をお探しの方は、ぜひ税理士にご相談ください。
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