相続税・贈与税
Column
相続税・贈与税
Column
長寿大国日本で、今後誰もが経験する遺産相続。「ウチはお金がないから大丈夫!」そう思って特に何も気にしていないご家庭も多いでしょう。
しかし、それは大間違い。一言で「遺産」と言っても預貯金だけではありません。住んでいる土地や建物、保持している株や証券、田畑や物置すべてが相続の対象となります。
相続では、民法上で相続順位が決められています。第1順位は配偶者と子、子が既に死亡している場合等は子の代襲相続として孫・ひ孫に相続順位が引き継がれます。第2順位は直系尊属である父母・祖父母、そして子も直系尊属もいない場合は第3順位の兄弟姉妹に権利が与えられることとなります。
また、たとえ親子間で全く連絡を取り合っていなくても、戸籍上の血縁関係があれば、親が亡くなったときに子供全員に相続の権利が発生します。夫婦が離婚して子と別々に暮らしている場合や、認知している婚外子がいる場合には、当然その子達にも相続の権利があります。
ここで注意しなければならないのは、相続人となる全員が遺産分割協議書にサインをする必要があるということです。海外に住んでいる子供のサインも必要ですし、亡くなった親に借金があり相続を放棄したいという子供がいたとしても、放棄をするための書類にサインをしてもらう必要があります。
遺産分割における揉め事は少なくありません。もし、「長男には土地と建物を、次男には預貯金のすべてを渡したい」というように、複数の遺産を子供達に指定して相続したいとお考えであれば、予め司法書士などに「公正証書の作成」を依頼することをお勧めします。依頼費用は数万から数十万かかりますが、直筆の遺言書では保管状態や内容によって認められないケースが多々あり、残された家族の争いの元になりかねません。自分が亡くなったあと、第三者により公正に相続手続きをしてもらう方法があれば安心です。
円満な相続をするためには、まず自分の遺産がどれだけあるかを把握し、どのように遺産分割されるかを知っておくこと。さらには、相続人となる配偶者と子供達には予め遺産の話をしておき、家族みんなが連絡を取れるようにしておくことも相続を円滑にすすめる大事なポイントです。介護をしてくれた人たちに恩を返したいと考えている方。自分が亡くなったあと、子供達に骨肉の争いをさせたくないと願う方。一度、遺産の整理をした上で遺言をきちんとした形で公正証書に残してみませんか?「終活」が当たり前になろうとしている今、家族みんなで相続の話をすることは、残す家族も残される家族にとってもプラスになることでしょう。
不動産の生前相続とは?タイミングがカギ!
土地の生前相続を考える~相続税対策としての賢い選択
失敗しないための遺産相続の基礎知識
相続税や贈与税の知っておきたい節税方法【2024年最新版】